「夢」を叶えたその先にあったのは…?

将来の夢について語ってみよう。

 

アナタには夢はありますか?

 

ちなみに現在の僕には、いわゆる「夢」はない。

なぜなら僕は、すでに夢を叶えているからである。

 

僕にとって夢とは何だったのか?

 

僕は自分自身の人生を通して分かったことがある。

それは夢よりも現実を好むということだ。

 

 

あの頃は「現実」を生きていた…

 

 

バンド活動を始めた頃、僕は大阪市東淀川区に住んでいた。

ライヴハウス、リハーサルスタジオ、ステージ衣装屋さん、などに張り紙をしては毎日のようにバンドマンたちと会っていた。

 

右も左も分らないなりに前進していき、やがてバンドは軌道に乗っていき、ライヴ活動が日常となっていく…

 

 

そのような生活も 個人的なトラブルや自分自身の不始末により、急遽実家のいなかへ不本意ながら帰ることとなるのだ。

これまでの人生で一番大切なものを失った絶望感は今でも忘れはしない。

 

 

 

当たり前だと思っていた「環境」を手放さなくてはならない屈辱感さえ覚え、いなかでバンド活動をなんとか再開させることとなる…

 

 


大阪から田舎の実家へ引き戻された僕であったが…

幸いなことに、実家のいなかで結成されたバンドは軌道にのって順調に進んでいく。

 

ライヴは主に大阪で月2~3本ペースくらいでこなして、やがて事務所にお世話になることでさらに活動範囲は広がった。

 

しかし、バンドは僕一人だけではない。

メンバーの諸事情などにより、バンドメンバーは次々と去っていき、最終的には解散という形をとった。

 

そして僕は自分一人でもやってやる!

という意味を込めて

Hexen Kessel を立ち上げたのだ。

 

いわば神那の集大成ともいえようか?

いや、原点ともいえる純度100%のバンドである。

全曲作詞作曲、セルフプロデュース、ジャケットデザイン、販売もこなした。

ヴォーカル以外はすべてこなした。

 

 

 

 

しかし…

メンバーあってのバンド活動である。

作品は残せても、ライヴ活動はできない…

 

そして僕は創作活動に終始して、やがて現状維持ともいえる「ぬるま湯状態」にどっぷりと浸っていくのである…


夢が叶ったから現実へ帰るのだ!

僕が高校生の頃に描いていた夢があった。

 

それは

「実家近所で働きながら、ゲーム三昧の毎日をのんびりと過ごせれば最高だな」

といった感じであった。

 

理由は簡単である。

「現状の範囲内で叶えそうな目標」を設定していたからである。

 

画家になって素晴らしい絵を描きたいという希望など親からすれば「馬鹿げた夢!」「趣味を仕事にするなんて甘い考えだ」

と一蹴された中学生時代。

そして高校を卒業してから、僕は音楽を始めた。

「お前の髪長すぎや!」「そんな髪型して通用するんはアインシュタインみたいな天才だけや!」

と叱られた大学時代であった。

 

だからであろうか?

僕は親の常識希望から外れない範囲で生きていた。

アーティストで在りたいという願望に目を背けながら…

 

「常識って何?」

 

「骨…人間行きつく果てはコレなのか?」

 

心の叫びが僕を変えたのはおじいちゃんの「死」であった。

 

「今この瞬間を自分らしく生きる」

 

死をもって僕を変えてくれたおじいちゃんには今でも感謝している。

なぜなら僕に生きる意味を教えてくれたから…

 

 

 

かつての僕は、特に人生における目標、人生のゴールといったものはなかった。

~になれたら良いなといった漠然とした「夢」である。

 

恐ろしいことに、気がつけばその「夢」は自然と達成されていた。

 

もっと恐ろしいことは、僕にとっては「リアル」から遠ざけた「ぬるま湯」のような生活を意味するということであった。

 

やがて…

「僕はこのような人生を望んでいるのか?」

と自問自答することになっていくのである。

 

 

 

「夢は実現する」

裏を返せば

それは安易に夢を描いてはいけないということを意味していよう。

 

当時の僕は、夢は実現してしまうという事実を認識していてはいなかったからだ。

僕は現実から夢の世界へと引き込まれていく…

 

 

 

2021年の年末にトイレにゲロをぶちまけて意識朦朧となった。

ついに僕の肉体と精神は限界点へと達していたのであろう。

「夢から覚めろ!」

と僕の本能が叫んでいるのか?

 

原因はアルコール依存とゲームで現実逃避をする毎日の習慣であるのは言うまでもない。

 

「アルコールを飲めば気分が楽になる(平凡な生活)」

 

「現実と違ってゲームは努力がむくわれる(ゲームクリア)」

 

平凡な人生、安定した生活、このまま現状維持で死ぬまで生きるのか?

 

そして僕は本来の場所へ帰ることを決断したのだ!

 

僕は「現実」を生きたい!

それが僕の「本心」であった。

 

 

生きる原動力

 

僕にとって、生きる原動力は「恐怖」であろうか?

 

おじいちゃんが死んで、火葬場で骨を見た時に感じた感情は忘れてはいない…

 

生あるものは必ず終焉を迎える

 

だからこそ

 

この一瞬を自分らしく生きるのだ!

 

熱気あふれるライヴハウスで火花散らすようなライヴステージ

 

その一瞬を多くの人々と共有する一体感

 

名を残し、作品を残し、生きた証を残して死んでいく…

 

それが神那らしい生き方ではないのか?

 

 

2023年、実家の自室で虎視眈々と「現実」へ戻ることばかり考えていた…

 

 

大阪帰還

 

 

夢を凌駕するのが現実である。

 

2023年が終わりを迎える頃から僕は実家の自室を毎日のように掃除して窓と床を磨いていた。

「今までありがとう」という意味を込めて…

 

2024年に僕は大阪に帰ると決断していたからだ。

 

そして僕は、2024年1月25日。

僕はかつてのホームグラウンドである大阪市に帰ってきた。

1月25日か…

この日は、おじいちゃんの命日だ。

 

 

 

右も左も分からず、全身全霊で突き進んでバンド活動を始めたのが大阪の地である…

 

「懐かしい」

 

それが僕に込み上げてきた感情である。

 

「お帰り」

 

「ただいま」

 

僕を暖かく迎えてくれたのが大阪の中心地である梅田であった…

 

タバコを吸いながらベランダから眺める景色を見て僕は「現実」を味わうのが至高のひと時である。

 

 

 

「現実」は「夢」を凌駕する…

なぜなら、僕は

今この瞬間を生きているから!